2021-01-03

ウォーノック『想像力:最高に高揚した気分にある理性の思想史』読みました

 ウォーノック『想像力:最高に高揚した気分にある理性の思想史』

「何も思わぬ目に映るよりも多くのことがこの世界の経験にはあるという信念、そしてわれわれの経験には意味があり、理解を試みるに価するという信念・・・・・・このような信念は無限の感覚と呼んでいいだろう。それは、いつもさらなる経験が可能であり、経験にはわれわれが予測できるよりもさらなることがあるという、(信条の一項目というよりは) 感覚である。このような感覚、すなわち極めて人間的なレベルにおいてさえわれわれの関心を深く惹きつける何かがあるという感覚をいくらかでも持たないことには、人間の生は、無駄や無意味にこそなりはしないだろうが、あたかもそうであるかのように経験されることだろう。それはつまり、退屈するということである。私の意見では、人々がついぞこのような意味で退屈しないですむ、つまり、無駄の感覚に屈したり、経験に値することは経験し尽くしたと思いこんでしまわないような機会を与えるということが、教育の主要な目的である。」

「想像力」は多義的。創造的な能力にだけ使う向きもあるけど、ほんとはその手前からもう働いてるんだという話。「合理性の現代人」はちゃんと想像力を使ってるかな。